daita2019

house
2019




photos by yurika kono



所在地:東京都
用途:住宅
構造・構法:木造軸組み構法
階数:地下1階 地上2階
敷地面積:109.69㎡
建築面積:62.75㎡
延床面積:138.50㎡

構造:TECTONICA
施工:ビルドラボ

竣工年:2019年



Site: Tokyo Pref.
Kind: House
Structure: wooden structure
Story: 3stories including 1 basement floor
Site Area: 109.69㎡
Building Area: 62.75㎡
Total Floor Area: 138.50㎡

Structure Engineer: TECTONICA
Constructor: Build Lab

Year: 2019

2015年秋ごろから自宅をつくる計画が始まった。この家の設計をしながら、数年前に訪れたルワンダの森を思い出していた。それはルワンダ、コンゴ、ウガンダの3か国の国境となるビルンガ火山群の森林で、野生のマウンテンゴリラの群れが広大な森の中を自由に移動しながら生活していた。地元の人の案内で、あるひとつの群れに追いついたとき、彼らはちょうど、森の中にぽっかりと空いた柔らかな茂みに腰を下ろしていた。木の上に上って遊んだり、親の背中や周りを駆け回っている子どもたちを横目に、大人たちは銘々心地良さそうな草の中にすっぽりと納まり、毛づくろいをしたり木の皮をバリバリと食べていた。それは家族の風景だった。彼らは鬱蒼と茂る木々の中に居場所を見つけ、即興的に「家」をつくっている。壁や屋根があるわけではないが、木々や背の高い草、それらに絡まる蔦植物、地形の凹凸がつくる多くの線の重なりと見え掛かりが、住人を包み、家となりうる快適な濃度をもたらしていた。ゴリラの森のヴァナキュラー建築である。

東京の住宅地の一角に、このような家があったらどうだろうか。むき出しの生活が、重層する線とさまざまな奥行きをつくりだすものによって柔らかく包まれ、日差しや通りを行き交う人の視線から少し遠のく。そのために、家の中も外も徹底的に線を多く浮き上がらせる。構造材を露出させ、材と材の接合部分や貼り合わせ部分も断面部に見えるようにした。家と庭のあいだには壁をつくらず、すべて窓サッシや建具で組み立てた。木や鉄骨のストラクチャー、階段のささらや手摺り、枠、家具やカーテン、樹木や草花の鉢植え、自転車、さらには住人の映像制作の仕事に関わる膨大な図書やビデオテープ、DVD。建物内外に、多くの線が織り込まれ、それぞれの住人がその中で自由気ままに動き、腰を落ち着ける環境を探す。そのような家となった。




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Suzuko Yamada Architects, Inc. Tokyo, JAPAN