marble mountain


playset
2022


photos by kanade hamamoto



所在地:東京都
用途:遊具
構造・構法:アルミパネル
建築面積:41.7㎡
施主:GOLDWIN
施工:JAKUETS

担当:山田紗子、鈴木心
竣工年:2022年


Site: Tokyo
Program: Playset
Structure: aluminium panel
Building Area: 41.7㎡
Client: GOLDWIN
Builder: JAKUETS

Project team: Suzuko Yamada, Kokoro Suzuki
Year: 2022
都市の中で地を意識することは難しい。だから人々はその確かなものを探しに、岩山など地殻が露出している場所へと向かう。登山、クライミング。待ち受けるのは私たちを包みこむ大きな地だ。地とは圧倒的なもの。圧倒的なものに全身の力をぶつける。そしてその力はそのまま跳ね返ってくる。びくともしない地に私たちは安堵する。


どこまでが地なのだろうか。土、土を覆うアスファルト、土の中に根を伸ばす樹木、土の中に基礎をもつ電信柱、ガードレール、小さな家、大きなビル、大きなビルの窓が映し出す青い空と空の下で散歩をしている人、その人が連れている犬、犬が土に置きざりにした糞、その糞を食べるミミズ、ミミズの巣、土の下の石、岩、地殻、湧き上がるマグマ、対流するマントル、そしてドロドロの核。これら全てが地に含まれるとして、地がこれら全ての元になっているとしたら。おそらく地はとても近い存在であると同時に、ずっと流れつづける存在なのだ。


圧倒的でありながらも、流れつづける、動きつづける。そのような地を、東京ミッドタウンの芝生広場に立ち上げることになった。子供を包み込むぎざぎざの山と谷。表層は人工芝の緑、建物の灰色、空の青、マグマの朱色、地をつくるさまざまなものがお互いに境界を保ちながら交じり合い、入り組んでつくられる地層のようなマーブル模様を纏わせた。本物の風景とマーブル模様が鋭く噛み合い、本物の風景もぎざぎざの形で現れる。寝転んでみると地が反転する。反転してもまた、それは地である。


大人の背丈の半分にも満たない小さな子供たちが、ぎざぎざの中へと分け入っていく。その姿がマーブル模様に映り込み、地の表面が流れるように動き出す。自分が動くことで地が動く。山全体が、こどもたちが、ひとつの流体となり、都会のど真ん中でとてつもなく明るい渦をまく。

2022-05-13
English translation coming soon...





Suzuko Yamada Architects, Inc. Tokyo, JAPAN